最近、テレビなどで取り上げられ注目されているエゴマ油ですが、日本でのエゴマの利用は古く、縄文時代の遺跡から種子がみつかり、食用していた事がわかっています。
飛騨地方でも、それぞれの町や村に油を搾ってくれる油屋があり、私の母親の実家でも、自家栽培したエゴマを油屋で搾ってもらい、家で使う分だけ持ち帰り、それ以外は買い取ってもらっていたそうです。
搾りカスは畑などの肥料として使え、すべてを有効に利用できたのです。
一昔前は灯明用や雨合羽や雨傘に塗って、雨よけ用などにも使われていたようです。近代以降はペンキや印刷用インキなどの専用のものがあり、エゴマは利用される事がなくなり、食用が主体になりました。
そんなエゴマは、全国各地で栽培され、それぞれの土地の土壌に合わせた形で受け継がれた在来種があります。
在来種の定義をWikipediaで調べてみると、エゴマに対する在来種の定義は以下の部分だと当てはまります。
一方、農業分野では、ある地域で伝統的に栽培され、遺伝子操作などの現代的な品種改良を行っていない作物を指すことがある。栽培品種、園芸品種の対語として用いられる。
特にエゴマは自家採取であり、自家受精だけでなく、他家受精もするため、同一品種ながら特性が一様でなく、地域ごとでその特性が違うのです。
その中で、岐阜県飛騨市では、日本で初となるエゴマ新品種「飛系アルプス1号」を開発しました。
岐阜県飛騨地方は高地栽培という利点から、エゴマに含まれる栄養成分が他の地域のエゴマより多く含まれていると言う研究結果もでているのです。
現在、高山市も岐阜県の研究機関である中山間農業研究所と連携し、新種研究が盛んになっています。