岐阜県飛騨地方は山に囲まれています。
その標高差で季節の変わり目も違い、高地である野麦は夏が短く、冬になるのも早いです。
今回は野麦峠にある、えごま畑の収穫を行いました。
野麦のえごま収穫タイミング
野麦はもう少しで霜が降ります。霜が降りると実にも影響があるので、ほかのえごま畑より、収穫時期が早いのです。
収穫のタイミングについては色々ありますが、今回の野麦畑は収穫時期を少し遅らせています。
今年は収穫前の天候に恵まれたので、実も乾燥していてよい状態です。
収穫は手作業です。
持ち運ぶだけでも実が落ちてしまうので、収穫したえごまを置くシートも一緒に移動させます。
収穫後の実落とし作業
今回の収穫はすべて手作業の昔ながらの方法で行っています。
まずは、ある程度の固まりにしたエゴマの枝を下に引いた板に叩きつけます。
各農家にある実を落とすための専用道具
枝が乾燥しているので、この時点でポロポロと気持ちいいほど実が落ちます。
何度か枝を打ち付けると、実が落ちなくなるので、手作りの「叩き棒」で実の部分や手で持っていた部分を叩き、残った実を落とします。
枝がクッションになるので、実には傷がつくことなく収穫できます。
ちなみに、叩き棒には↓のような形のものもあります。
市販されているものではなく、自家製の道具です。
飛騨えごまは黒種の在来種
黙々と作業は続きます。一度実を落とした枝も、別の人がもう一度叩いてみると、残っていた実が落ちるので複数回に分けて叩きます。
ザルを使っての異物除去作業
叩いて落とした実は、枝や房の部分などを多く含んでいます。まずは大きなゴミを分けるためにザルでこします。
その際、房などにまだ入ったままの実もあるので、実に傷がつかないようにやさしく叩き棒で叩きます。
ザルでこすと、大きなゴミが排除されて、えごまの実が見えてきます。
大きな目のザルでこした後、細かい目のザルでもう一度こしていきます。
小さいゴミが混ざっていますが、エゴマの実がよくわかるようになってきました。
ここからが匠の技です(*^▽^*)。
唐箕を使って軽いゴミを除く匠の技
細かいゴミを風で飛ばしていきます。
機械式の唐箕(とうみ)もありますが、今回は手持ちの唐箕でゴミを除きます。
唐箕にいれたエゴマを、ザッザッと空気を入れながら混ぜる事で、えごまとゴミをより分けます。そのまま、混ぜる風圧でゴミだけを唐箕から押し出します。
熟練した人は簡単そうにやりますが、実際やってみると、思うようにできません。
へたなやり方をすると、エゴマを落としてしまい、目も当てられません。
2重にした袋にいれて持ちかえります。
この後、水洗い、乾燥、調整と進みます。
収穫作業はとても大変ですが、綺麗なえごまの実をみると幸せな気持ちになりますね。
脱穀後は乾燥です。