なぜコレステロール摂取基準値が撤廃されたのか

コレステロールの8割は体内合成されている.
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コレステロールは悪者ではなかった?

肉や卵やイカなど動物性の食物は食べ過ぎてはいけないと言われたことがありませんか?
これは食事から摂取する動物性の脂質に含まれるコレステロールを多く摂取すると、コレステロール値があがり、動脈硬化が進行し脳卒中や心臓病を発祥しやすくなるという意味からでした。
しかし近年、厚生労働省が改訂した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」において、コレステロール摂取基準値(上限)が撤廃されました。

理由は、近年の研究結果でコレステロールの約8割はもともと体内で生成されており、食事などからの摂取から受ける影響は限られることがわかったのです。また、その研究の中でコレステロールの摂取量と脳卒中・心臓病などの発症率の明確な因果関係が証明できなかったのです。

こうした研究結果を受け、コレステロールの摂取基準が撤廃されました。

また、国内で5万人以上を対象にした総コレステロール値とガンの死亡率を比較した試験では意外な調査結果がでたのです。
その報告では、総コレステロール値が高めの人はガンの死亡率が低く長生きで、逆に総コレステロール値の低い人ほどガンの死亡率は高かったのです。

コレステロールの8割は体内合成されている.

具体的な数値では、総コレステロール値が180ミリグラム未満の人は280ミリグラム以上の人に比べて、ガンの死亡率が5倍も高かったのです。

コレステロール悪玉説による間違った方向性

しかし、そのために長年の間、コレステロールが含まれる動物性の脂は減らし、代わりに動物性の油を使用することが健康だと勘違いされてしまったのです。

もちろん、動物性の脂も過剰に摂取する事はよくありません。
当然とりすぎればカロリーオーバーとなり、肥満を始めとした体調不良の原因になります。

しかし、同じように植物油のとりすぎもガンや脳卒中、心臓病、糖尿病・高血圧などの原因になります。
そして怖いのは認知症、鬱、アレルギー病などの病気の原因に植物油に水素を添加したさいに生じる脂肪酸の「トランス脂肪酸」の影響が大きいと言うことがわかったのです。

脂肪酸の種類を理解し、意識しよう

脂肪酸は大きく分けると2種類あります。

飽和脂肪酸(脂)
常温で個体の脂肪酸。肉、ラード、ココナツ油などに含まれる。

不飽和脂肪酸(油)
常温で液体の脂肪酸、植物油や魚油などに含まれ、その中でオメガ9、オメガ6、オメガ3、トランス脂肪酸などに細分化されます。

近年の研究では、健康に影響するのは、摂取する脂肪酸の種類だと言う事がわかってきました。
大切なのは、動物性脂肪、植物性脂肪という線引きではなく、どのような種類の脂肪酸を摂取するかなのです。

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