えごま栽培:えごまの定植

えごま苗定植の際のポイント
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今年もなんとなく不安定な天候が続きますね。
飛騨地方ではまだ朝晩に長袖が恋しくなります。

この天候の影響もあってか、えごまの苗も成長が微妙にバラつきがあります。
そんな中、本日は「飛騨高山あぶらえ研究会」で、あぶらえの定植研修会が開催されました。

あぶらえ定植研修会とは?
「飛騨高山あぶらえ研究会」が主催する飛騨えごまのブランドと品質を守るために毎年行われる研修会です。
「あぶらえ」とは、飛騨地方で昔から呼ばれている「えごま」の呼称です。

飛騨高山えごま研究会研修風景

今年からえごま栽培を始めるという農家の方も含め、定植ついての注意点や虫害対策などについて活発に情報交換が行われます。

えごま栽培用の畑について
えごまは蕎麦と同様、基本肥料を必要としないため、比較的栽培しやすく収穫までは他の農作物に比べ手間がかからないといいます。
しかし、毎年栽培していると、やはり痩せてくるので、2~3年に一度は牛堆肥を入れた方がよいとも言われます。
今回、研修として開放していただいた農地は今年は写真のサイズに約1トンの牛堆肥を入れたそうです。

えごま畑

さて、えごまの定植ですが、今回はマルチビニール(黒いビニールシート)を使用した場合と、そのまま畑に植える方法の両方を用意していただいきました。
マルチシートは苗の間に生える雑草を抑える効果があるので、畑のサイズが大きければ準備は大変ですが、敷いた方がよいものです。

えごまを植える際の注意点
えごまは個人での栽培も比較的しやすく1~2畳程度の大きさの畑でも個人消費する分としてはそこそこ栽培できると思います。
それぐらいの規模の場合は、マルチシートなど使用せず、そのまま直接植えて、こまめに雑草抜きをする方がよいでしょう。

マルチを使用する場合は、畑に敷き詰めた後、苗を植えるための直径10センチ程の穴を開けていきます。これが結構大変な作業で「どのように穴を開けているか」とそれぞれの農家の方から貴重な情報交換もされていました。

マルチシートと定植穴

今回は、90センチのマルチシートの両端に約40センチ間隔で、千鳥(交互に)に定植用の穴を開けてあります。

えごまを定植させる間隔について
定植させる間隔ですが、時期やタイミング、畑の作り方(ウネの幅など)よっても多少変わります。

目安として、株間が30~40センチになるように1条植えにします。これ以上広い間隔(50センチ以上など)にすると強い風が吹いたとき1本1本がふらついてしまい安定しないので、ある程度狭い方がお互いを支えあえるため倒れにくくなります。

定植間隔測り棒

特に秋の台風の時期にはかなり大きくなっているため、風の影響をもろに受けるので定植間隔には気をつけた方がよいでしょう。
上の写真にあるように、2メートル程の角材に30~40センチ間隔で印をつけて、定植する際の目安にすると均等間隔で植えると良いでしょう。

えごま苗の植え方について
えごまは「定植」とあるように、苗の発根を促して強くするために、種蒔き後、発芽して20センチ程に成長してから移植をしています。
こうすることで新しい根がたくさん出て、節間が短くて分枝数も多い苗になります。

定植用えごま苗

上が今回の定植用に持ってきたえごま苗です。
ここまで育つ前、発芽して3~4センチの時に、間引きと除草を行いますが、その際間引きした芽も捨てずに別の場所に植えなおす事でよい枝に育ちます。

えごま苗を植える際のルール
えごま苗は2本を一組として植えていきます。
これは定植時にはまだ、えごま苗も細いため、2本で植える事でお互いを補い合うためという考えもあります。

えごま苗定植の際のポイントその時、注意するのは長さの違う苗をペアにする際、上の高さを合わせるという事、根の方で合わせるのはNGです。長さが違っても、頭の高さで合わせて、植える事がポイントです。

手植え方法、移植機を使用した方法
次に、苗を植えていくわけですが、基本は手作業です。一人で作業するより
(1)「穴を開ける人」
(2)「植える人」
(3)「土を抑えて根づかせる人」
と3人ぐらいで作業できると比較的早く作業が進むと思います。一人でもできますが、大変です(^_^;)

一人手作業でえごまを定植

また、穴あけは手で掘る方法もありますが、とがった棒のようなもので専用の穴あけ機を自作することをお勧めします。作業効率が格段に変わりますよ。

下の写真は移植機用の専用の苗床ですが、コストも高くつくので畑のサイズで判断することになるでしょう。

移植機を使ったえごま苗定植また、植えた後、数日は気が抜けません。ヨトウムシなどの害虫が定植後の苗の根を食いちぎってしまうからです。
早いものだと翌日には「ポキン」と根が折られてしまっています。そういう場合、根の部分を掘り起こすと害虫います。これをしっかり駆除しないと他の苗も根こそぎやられてしまいます。飛騨えごまは無農薬栽培のため、虫との闘いは収穫まで続きます。

要所要所で害虫の種類は違いますが、農薬を使わない以上、虫との付き合い方も考えなければいけません。
これから収穫まで順次レポートしていきます。

今回のレポートはここまでです。

PS:今回の研修会は、始まるまでは晴天だったのに始まった途端、突然雨が降ってきて大変でした。
まだまだ不安定な天候が続きますが、今年はしっかりえごまが育ってくれる信じています。(^_^;)

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