飛騨えごま本舗のある岐阜県飛騨地方では、「えごま」の事を「あぶらえ」と呼び、昔から伝統食として食してきました。
えごまに多く含まれるα-リノレン酸が注目されています。
「えごま」には人間の体内で合成、蓄積できない「必須脂肪酸」であるα-リノレン酸が多く含まれています。
「えごま実」は、搾ることで「えごま油」になりますが、えごま実のままでも美味しく食べることができます。
ただ、「えごま実」の状態で食べる場合は気を付けるべきことがあります。
えごま実を食べる時の2つの注意点
(1)実の部分は消化されにくいので良く噛むこと
えごま実はそのままの状態で食べるとプチプチとした食感が楽しめます。
しかし、殻の部分は消化されにくいため、噛まずに飲み込むと胃で消化されずそのまま排出されてしまいます。それでは折角の栄養分も吸収されないためもったいないです。
実の食感を楽しみたい場合はしっかりと噛むことを意識してください。良く噛むことで実の中に含まれる油分が出てきて香ばしい味を楽しめます。
また、実をすり鉢やミルなどを使って細かく粉砕することで調理法も増え、栄養分も吸収されやすくなるのでお勧めです。
(2)煎ると美味しくなるが、煎り過ぎると栄養分を破壊する
えごま実は、生のまま食べる事もできますが、煎る事で香りと味にコクが出ます。
エゴマを煎る場合は、弱火で行う事が必須条件です。2.3粒パチパチっと音がしたらすぐ火を止めましょう。
えごまは実が小さいのですぐに火が通るので焦げやすいのです。
α-リノレン酸は熱に弱いと言われていますが、180度以下の短時間加熱の場合はほとんど栄養分が破壊されない事が研究の報告としてされています。
加熱での栄養分変化が気になるかたは下記ページを参考にごらんください。
えごま実をすることで、料理の幅が広がります。
そのなかでも、私が好きなエゴマ料理は「五平餅」です。
飛騨の伝統食である「五平餅」は美味しいだけでなくα-リノレン酸もしっかり摂れる優れた料理です!
栄養の事だけではなく、えごま(あぶらえ)の炒ったり焼いたりした時の香ばしさなども味わっていただきたいですね。
えごまの実の状態ならば酸化しにくい
えごま油は、酸化しやすい油です。
低温圧搾・無添加で搾られたえごま油は、開封前で適切な場所で保管しても半年以内で消費したほうがよいです。
開封したら冷蔵庫で保存し、1ヶ月程度で消費することを推奨しています。
なので、大瓶のではなく使い切れる小瓶タイプのものを使う方がよいでしょう。
酸化が進んだ油を摂取するのは、健康目的でえごま油を食べている方からすれば本末転倒だからです。
「えごま実」の状態なら、2年程度の保存は可能です。
ただ、これは栽培に使用することができるという意味で、食べるという意味では時間経過とともに風味が落ちてしまいます。
やはり収穫されてからあまり期間を開けずに食べた方が美味しく食べられます。
長期保存したい場合は「冷凍保存」するとよいでしょう。
圧搾法での搾油で抽出できる油は3分の2しかない。
油の搾油方法には「圧搾法」と「抽出法」の2種類があります。
飛騨えごま本舗では、昔からの搾油方法である「低温圧搾法(玉締め搾り)」での搾油をしています。 この圧搾搾油はえごま実に多くの油が残ります。
えごまの実に含まれる油分は40~60%ありますが、圧搾法で抽出できる油はその中の3分の2程度。
残りの3分の1は搾りカスの方に残ってしまいます。しかし無理やり搾りださないので、質の良いえごま油になります。