飛騨えごまの特徴

岐阜県飛騨地方
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岐阜県飛騨地方は、周りを山で囲まれた自然豊かな所です。今は高速道路も通り、国道も整備されていますが、昭和の初めまでは近隣の都市からは隔絶されたと言ってもよい地域でした。

また、飛騨地方は雪も多く、同じ岐阜県である美濃地方や隣県の富山に行くにも交通はとても不便でした。その影響もあり、生活に欠かす事ができなかったエゴマは「あぶらえ」と呼ばれ、各農家でそれぞれ受け継がれた在来種を大切に栽培していたのです。

岐阜県地域マップ

あぶらえの由来は、諸説ありますが、種子をしぼった荏 (え) の油という意味で、あぶら荏 (え) →あぶらえと呼ばれました。

飛騨えごまの特徴

そんな飛騨えごま(あぶらえ)ですが、昔から作っている農家の数だけ、種類が存在しています。飛騨地方は、山間部に位置するため、高低差による寒暖の差、山影などの影響、やせ地、沼地と様々な条件の地域があるためです。

地域別で異なる環境下で栽培され、それぞれの地域の条件に合った在来種として遺伝的な多様性がきわめて高くなったのです。

飛騨えごまの多様性

生態(花の咲く時期、収穫期)
形態(茎の大きさ、枝の多さ、粒の大きさ)
子実成分(α-リノレン酸、フラボノイド類)

野麦峠などの高地での収穫時期と、旧高山や飛騨市などの収穫時期が違うのはこのような理由もあります。そんな飛騨えごまですが、近年の調査で、飛騨以外で栽培されているエゴマとの成分の違いが発見されました。

飛騨えごまは、他のエゴマより内部成分が多い

飛騨での選抜品種と、他の在来種の平均、中国産の平均のエゴマに含まれる内部成分を調査した結果、飛騨在来種は他のエゴマに比べ、α-リノレン酸もルテオリンなどの油脂成分が多く含有している事がわかったのです。

エゴマは飛騨産が一番

飛騨えごまの実(種子)は、褐色系の黒エゴマです。粒も細かく、調理にも使いやすいサイズとなっています。
飛騨地方で昔から食されている「五平餅」や「あぶらえオハギ」などが香ばしくて美味しいのは、実に含まれる油脂成分が多いからなんですね。

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