飛騨えごまの栽培はすべて手作業です。
時間と手間がかかりますが、それが最高品質のえごま(あぶらえ)を作りだす原点なのです。
今回は、えごまの種蒔きから栽培、収穫の一通りの流れをご紹介します。
えごま(あぶらえ)の種蒔き
飛騨は冬が長いので、種まきは5月下旬から6月中旬におこないます。
栽培する場所や、その年の天候によって多少変わりますが、種まきする前に畑を耕して準備します。
必要ならば堆肥を入れて土の調整を行います。痩せた土地でも栽培できるエゴマですが、前年度の様子なども含めて準備をします。
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えごま栽培:えごま(あぶらえ)の種蒔きをしました。
エゴマ・レディース えごまの種蒔き
種蒔きをしてしばらくすると芽がでてきます。次はこれを本畑へ移植する作業です。
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えごま栽培:えごまの芽がでました。
えごま(あぶらえ)の定植(移植作業)
えごまの定植は、2度手間のように感じるかもしれませんが、実はとても大切な作業です。
えごまは育つと1m以上にもなります。縦にも横にも大きくなるので、種蒔きをした状態だと苗同士がとても混みあっています。そのまま大きくなると、お互いに栄養を奪い合うだけでなく、お互いの葉が邪魔をして太陽の光を受ける事ができず育ちません。
なので、草丈が大体10~15cmに育った所で広い畑に植え替えるのです。その際、抜くときに根が切れますが、逆にそれが新しい根が出てくるのを促し、強くてたくましいエゴマに育つのです。
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えごま栽培:えごまの定植
エゴマ・レディース エゴマの定植
定植を終えると、えごまが開花するまで雑草との戦いです。えごまが大きくなると葉が広がり地面に光が届かなくなるので雑草の育ちが鈍りますが、そこまではひたすら草むしりの日々です。
これは完全無農薬での栽培ならではの手間ですが、この手間が高品質えごまを作るために必要なのです。
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えごま栽培:除草が大切な理由
えごまの摘心
えごまの摘心とは、字のとおり、葉の部分を摘むことをいいます。
これは倒伏を防ぎ収量を上げる技術と言われていますが、闇雲に摘んだり、遅い時期に摘心を行うと収量が減るなど、長年の経験の元に行う作業です。特に飛騨地方は収穫前に台風の季節が来るので大切な作業なのです。
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えごま栽培:えごまの摘心(てきしん)
えごま栽培:台風対策について
夏が過ぎる頃、飛騨えごまは開花します。
この花が落ち、実をつける時期になると待ちに待った収穫になります。
えごま(あぶらえ)の収穫
この収穫の時期の見極めがとても大切です。
えごまは落葉寸前まで登熟しているので、ぎりぎりまで待った方が実入りが良いのですが、遅すぎると実が落ちてしまったり、鳥たちに食べられてしまうからです。
↑は実が落ちるギリギリまで収穫を待ち、刈取と同時に実を落とす方法です。
こちらは落葉前に収穫し、日干しする方法です。どちらも鳥たちとの戦いです。
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えごま栽培:えごまの収穫(野麦畑)
エゴマ・レディース えごまの収穫
えごま(あぶらえ)の脱穀
収穫したえごまが乾燥したら脱穀作業になります。収穫の時に脱穀する場合もあります。
それぞれの農家で受け継がれた方法がありますが、結局昔ながらの方法が一番良いのです。
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えごま収穫:脱穀作業
エゴマ・レディース えごまの脱穀
えごま(あぶらえ)の水洗い
さて、そろそろ作業も最終段階です。
えごまについた泥や汚れ、収穫時に混ざってしまった小石などを水洗いして除く作業です。
しっかりと汚れを落としますが、優しく扱わないと、えごまの殻はもろいので実を傷めてしまいます。愛情をもって優しく水洗いするのです。
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えごま栽培:水洗いと乾燥
エゴマ・レディース えごまの水洗い
水洗い後、しっかり乾燥させて最後の大仕事、選別を行います。
えごま(あぶらえ)の選別作業
この作業が収穫作業の中で一番大変だと言ってもいいかもしれません。なぜならここで選別されたエゴマが皆さんにお届けするものになるからです。
唐箕(とうみ)で軽いゴミを除き、水洗いで重いゴミを除いても、まだまだ残ってしまうものがあります。
雑草の種だったり、虫だったりします。また実が取れてしまった殻などもあります。
それを目視でピンセットを使って除くのです。
みなさんにお届けする「飛騨えごま」はこれだけの手間と時間をかけている最高品質のえごまなのです。
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えごまの選別作業は大変です。
エゴマ・レディース えごまの選別
以上がえごま栽培の手順と収穫までの過程です。
えごまはどんな土地でも栽培できる優れた食材です。是非、ご自分でも栽培をしてみてください。